※初回アップ時、2016年診療報酬改訂にて看護師の認知行動療法が保険点数化されたことが決定した、と記述しましたが、誤りでした。決定ではなく、議論の段階です(先ほどある仲間より最新の情報をいただきました。ありがとうございました。)。
12/11とある認知行動療法仲間から速報が入った。
厚労省・中医協の会議で
「看護師が実施するうつ病に対する認知療法・認知行動療法」が
H28年度より保険点数化されることが検討されている。
↑クリックすると中医協の資料が開きます。
議事録はまだアップされていないので、詳細は不明。
看護師の認知行動療法が一応は認められるかもしれない。
あっ、誤解がないようにいえば、名目上は勤務医の負担軽減という形になっているので看護師の認知行動療法の効果が認められたということではなく、医師の行う認知行動療法を看護師がサポートするということが認められたということである。
正直なところ日本の看護師が行った認知行動療法に効果があるというような研究結果はあまりない(全くないわけではないが)。
認知行動療法をこれまで研究・実践してきた臨床心理士はこの結果をどう思っているのであろう。
数年後に公認心理士という国家資格ができれば恐らく公認心理士が認知行動療法をガッサガッサやっていくのであろうが、その前に看護師が認知行動療法畑を荒らしてしまうかもしれない。
「認知行動療法って効かないよね?」的なことを患者にささやかれてしまうかもしれない。
つまり看護師が認知行動療法が行なうということで認知行動療法のクオリティが下がるのではないかという懸念がある。
(いちおう認知行動療法を行う看護師は、一定の知識・技術のある人という人物となる。研修を参加したかスーパーバイズを受けたか、といったことが恐らく要件になると思う。しかしこの研修時間・スーパーバイズ時間だけで、認知行動療法を扱えると考えてしまうと大変だ(´・ω・`)
この研修・スーパーバイズについては、以下をクリックしてください)
↑一般社団法人 認知行動療法研修開発センター へリンクします。
看護師は良いと云われたものはすぐに取り入れるが、時間が経てばまた別の良いと云われるものに飛びつく習性がある。認知行動療法もそうやって淘汰されるのではなかろうか。
さて、私はこのブログで看護師が認知行動療法を行うことを否定しているわけではない。
質を確保しながら、いかに他職種で協働して行っていくことが必要なのかということ説明しているわけである。
看護師が認知行動療法を行う上で何が必要か。
以前にも書いたかもしれないが、診療報酬改定前に振り返っておきたい。
診療報酬改訂するとして。
認知行動療法を行なう看護師に求められること。
①ケースに対してスーパーバイザーを持つこと。
スーパーバイザーは認知行動療法の研修に参加をしたことがあるのであれば主治医でも良い。同施設にいればよいが、そういうことはあまりない。他施設の医師・臨床心理士でも看護師でもよいが、スーパーバイズを受けるときには患者の倫理に充分留意することが必要である。患者・家族にも「質を担保するために認知行動療法を専門とするプロに適宜相談する」「相談内容は○○であり、あなたの名前・住所など個人を特定されるものは伝えない」など同意を得ておく。自施設の倫理員会などにケースの情報を相談するということを相談しておく。
スーパーバイズを行うことで、色んな発見があると思う。スーパーバイズは一種の認知再構成である。施術者は認知行動療法を行っているときはなにがしかの思い込みに囚われていることが多い、それをスーパーバイザーが解消してくれる。認知行動療法を行う上でおごりは禁物なのである。看護を行っている人を見ると、教育的な関わりばかりする人が多いが、認知行動療法ではそうすると患者の認知・行動の変化をさまたげやすい。そういった自分の癖に気づき、成長していく上でもスーパーバイザーは必要である。
②良い結果も悪い結果も全て結果。学会発表はできる限り悪い結果も発表すべき。
きちんと研究計画を立ててください。そして研究発表してください。
看護師の認知行動療法の事例研究ではバイアスが過分に含まれています。
まず良い結果しか報告していないし。
文献検索も雑すぎます。書籍や教科書を引用することが多すぎです。海外の論文が多いかもしれませんが、しっかりと先行研究を調べましょう。
というか日常的に認知行動療法を行う前に、自分がこれから行おうとしていることが妥当だと患者・家族に説明できる情報を持っていてください。Pubmed・Uptodeteなどからエビデンスを読み・使えるようにしておきましょう。それを行ってから認知行動療法ははじめましょう。
うつ病患者に認知行動療法を行なった結果を報告するとしたら、良くなったケース、悪くなったケースを報告するべきです。アウトカムを残していくことが、看護師が認知行動療法を行っていく意義にもなっていきます。アウトカムが出せなければ、看護師は今後やらなくてよい、公認心理士がくるのを待っていましょう、ということになり兼ねませんね。
③研修・学会には積極的に参加する。
継続学習ということです。当たり前といえば当たり前なのですが、看護師の世界ではそうではないことが少なくありません。
④認知行動療法を行う看護師の仲間を作っていく
看護師の認知行動療法人口はそんなに多くないです。やっていても孤独なので、仲間を作る。
仲間がいればアウトカムも積極的に残せますし、研究も進みます。
⑤阿呆になる
いちばんだいじ。
⑥番外編:このブログにコメントする
色んな方に見ていただいており、会うたびに「見てるよ」と言ってくれるのでたいへん嬉しいです。
でもできれば即時強化を受けたいので、このブログにコメントください。ブログ作成の励みになります。
①ケースに対してスーパーバイザーを持つこと。
スーパーバイザーは認知行動療法の研修に参加をしたことがあるのであれば主治医でも良い。同施設にいればよいが、そういうことはあまりない。他施設の医師・臨床心理士でも看護師でもよいが、スーパーバイズを受けるときには患者の倫理に充分留意することが必要である。患者・家族にも「質を担保するために認知行動療法を専門とするプロに適宜相談する」「相談内容は○○であり、あなたの名前・住所など個人を特定されるものは伝えない」など同意を得ておく。自施設の倫理員会などにケースの情報を相談するということを相談しておく。
スーパーバイズを行うことで、色んな発見があると思う。スーパーバイズは一種の認知再構成である。施術者は認知行動療法を行っているときはなにがしかの思い込みに囚われていることが多い、それをスーパーバイザーが解消してくれる。認知行動療法を行う上でおごりは禁物なのである。看護を行っている人を見ると、教育的な関わりばかりする人が多いが、認知行動療法ではそうすると患者の認知・行動の変化をさまたげやすい。そういった自分の癖に気づき、成長していく上でもスーパーバイザーは必要である。
②良い結果も悪い結果も全て結果。学会発表はできる限り悪い結果も発表すべき。
きちんと研究計画を立ててください。そして研究発表してください。
看護師の認知行動療法の事例研究ではバイアスが過分に含まれています。
まず良い結果しか報告していないし。
文献検索も雑すぎます。書籍や教科書を引用することが多すぎです。海外の論文が多いかもしれませんが、しっかりと先行研究を調べましょう。
というか日常的に認知行動療法を行う前に、自分がこれから行おうとしていることが妥当だと患者・家族に説明できる情報を持っていてください。Pubmed・Uptodeteなどからエビデンスを読み・使えるようにしておきましょう。それを行ってから認知行動療法ははじめましょう。
うつ病患者に認知行動療法を行なった結果を報告するとしたら、良くなったケース、悪くなったケースを報告するべきです。アウトカムを残していくことが、看護師が認知行動療法を行っていく意義にもなっていきます。アウトカムが出せなければ、看護師は今後やらなくてよい、公認心理士がくるのを待っていましょう、ということになり兼ねませんね。
③研修・学会には積極的に参加する。
継続学習ということです。当たり前といえば当たり前なのですが、看護師の世界ではそうではないことが少なくありません。
④認知行動療法を行う看護師の仲間を作っていく
看護師の認知行動療法人口はそんなに多くないです。やっていても孤独なので、仲間を作る。
仲間がいればアウトカムも積極的に残せますし、研究も進みます。
⑤阿呆になる
いちばんだいじ。
⑥番外編:このブログにコメントする
色んな方に見ていただいており、会うたびに「見てるよ」と言ってくれるのでたいへん嬉しいです。
でもできれば即時強化を受けたいので、このブログにコメントください。ブログ作成の励みになります。
このコメントは投稿者によって削除されました。
返信削除安心してください。見てますよ!
返信削除場所は違えど志は同じです!日々精進ですね。
東京に来る際はお声かけくださいね。
とがし。
とにかく明るい富樫さん(´・ω・`)
返信削除コメントありがとうございます。
来月の事例検討会、予定がつきそうなので、参加を検討しています。
第一回・第二回どんな感じでしたでしょうか。教えてください。
このコメントは投稿者によって削除されました。
返信削除おはようございます。
返信削除とにかく明るい冨樫です。
昨夜中医協の最新情報で、CBTの診療報酬化ほぼ決まりのようですね。
CBTの事例検討会ですが、全国から看護師の方が来てくださり、様々な現場から報告や意見をいただいています。
スーパーヴァイズしていただける先生方も精力的に参加してくださり、有意義な話し合い、アドバイスをくださっています。
1月23日は僕が参加できなそうなのですが、参加した際はよろしくお願いしますね(*´ω`*)